INTERVIEW

買っていただくことがゴールじゃない。人とクルマの思い出をつくりたい。

販売・マーケティングH.K

PROFILE

GRマーケティング部 商学部卒 2009年入社

商品企画やマーケティングに携わりたいと思い、就職活動ではメーカーを志望。大手電機メーカーとトヨタとで迷ったが、面接で自分の考えを「いいね、もっと若い意見を聞きたい」と積極的に受け入れてくれたことから、こんな方たちと一緒に働きたいと思い、トヨタへ入社。クルマには詳しくなかったが、ハイエースの営業担当時は愛情まで芽生えるほど徹底的に向き合った。「型式を見ればだいたいどんな仕様かわかります。いわばハイエース女子ですね(笑)」

「トヨタで、1年目から、
ここまで決めていいんだ!?」

「おまえはどうしたい?」。新人時代、先輩からよく言われた言葉です。トヨタでは新人であろうと自分の意見をとことん求められます。会議に出たときは、必ず一言でも発言すること。それが先輩との約束でした。

トヨタのクルマを実際にお客様に販売するのは、トヨタ自動車とは別会社である各地域の販売代理店。トヨタにはトヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店と4つの販売店があり、入社後に配属されたのは、そのうちトヨペット店の販売を支援するトヨペット営業部。キャンペーンやイベントを企画して、店舗にお客様を呼び込む販促施策の担当で、そこでも自分の意志を強く求められました。

トヨペット店はご来店されるお客様の平均年齢が高かったため、親子客を店頭に呼び込む施策の立案が、はじめに私に与えられたミッション。「自分だったら、どんなきっかけがあればお店に足を運ぶかな」。想像を膨らませて、お子様がエンジニアの仕事を体験するキッズエンジニアという企画を立案。安全面などのハードルを販売店の方と一緒にクリアしていき、実現までこぎつけました。当日、お子様がエンジニアと一緒にタイヤ交換などに取り組んでいると、大人たちはひたすらその様子を写真に撮っていましたね。当時はCMでこども店長が流行っていたので、一日店長体験とセットにもしました。店舗によっては地元の新聞社が取材に来るなど、なかなかに盛況。その後キッズエンジニアは他の販売店にも展開され、新人時代に立案した企画が、今では全国各地の販売店の定番施策になるほど広がっています。

もちろん先輩に助けていただきながらですが、トヨタという大きな組織で、1年目からここまで自分で決めていいんだというのは驚きでした。一方で、自分の意志がないと仕事が進まないので、そこは楽しくもあり大変なところでもありました。

山積みのハイエースを乗り越えて

山積みのハイエースを乗り越えて

販促の次は、需給調整という仕事の担当に。担当車種が今月どの程度売れるか予測を立て、工場で生産してから販売店に届くタイムラグを計算し、生産部門に要望を出します。台数が足りないと機会損失につながるし、余ると在庫を抱えてしまう。正確に予測しつつ、販売店ごとにうまく差配して、販売台数を最大化させることが目的です。

そこでハイエースを担当したときのこと。予測を思いっきり外してしまい、工場のバックヤードに在庫が800台くらい山積みになってしまったんです。1台300~500万円程度なので、いったい何十億の負債になるんだと、頭を抱えました。毎日ハイエースに追われ、夢に出てくるまで苦しかった日々。でもそんなときこそ、チーム一丸となって助けてくれるのがトヨタ。上司やチームのメンバーが私の仕事を巻き取ってくれて、毎朝積み上がるハイエースをシステムで即座に処理。来る日も来る日も電話で、ダメなら直接会いに行き、ときには上の人同士のつながりも使わせてもらい、販売店にお願いして売ってもらう。販売店の方にも、何度もフォローしてもらい、「あの件どうなった? 1台ずつしか助けてあげられないけど、ウチの販売店にも回してね」なんて、わざわざ連絡をいただいたときは、泣きそうになるぐらい嬉しくて。チームや販売店の方々が一体となって助けてくれたおかげで、三ヶ月ほどでようやく在庫を捌くことができました。

その後、今度はハイエースの販促担当に。販売店の一画で、キャンプやアウトドアなどハイエースの使用シーンがイメージできる「ハイエースフィールド」をつくる施策を立案。商用車のイメージが強かったハイエースを、個人のお客様向けに、ハイエースと出かけたらわくわくして、人生が豊かになるというイメージをもってもらえるような施策をしたいと思って企画しました。ハイエースなんて見たくない時期もありましたが、最終的にはハイエースに愛情さえ芽生えていましたね。

本気で向き合うから、信頼関係が生まれる

クルマを売るための最大の販売施策は、CMやプロモーションではなく、いかに販売店を巻き込んで、ディーラーの方々にそのクルマを売りたいと思ってもらえるか。私が営業部にいて強く感じたことです。販売店は、私たちからすると、トヨタのクルマを売っていただく大切なお客様。でも一方、クルマの販売店って、家電量販店とは違い、どのメーカーのクルマでも売れるわけではありません。トヨタの販売店は、いくら経営が苦しくても、トヨタのクルマしか売れない。私たちも、販売店の営業力がないと事業が成り立たない。いわば、運命共同体みたいなもの。どんなにたくさんCMが流れていても、販売店に売る気が起きなければ、その車種は売れないのです。

もちろんゴマすりをするわけではありません。対等の立場で、おかしいところはちゃんと指摘するし、時にはケンカだってする。だけど、それを繰り返すことで「この人の頼みだったら俺は1台でも多く売ってやろう」という信頼関係ができていく。だから、私がハイエースで大失敗したときも、販売店の方に助けられて何とか乗り越えることができた。営業という仕事の素敵なところだと思います。

人とクルマの思い出をつくる

人とクルマの思い出をつくる

2017年に、念願だったマーケティングを専門的に手がけられる今の部署に異動。去年は86(ハチロク)というスポーツカーの、商品の企画段階から入り、イベント開催や広告施策などプロモーション業務まで担当しました。86はクルマ好きのシンボルのような存在。たくさんの数を売ることより、いま乗っていただいているオーナーの方に、もっと深く、ずっと長く愛してもらいたい。ブランド価値をさらに高めることを目的にしたプロモーションを展開しました。サーキットでのイベントを企画した際は、会場でみなさんがたくさん写真を撮ってくれたり、自分の車でどこに行ったとかの話題で盛り上がったり。みなさんの思い出づくりに携われているようで楽しいですね。

「クルマ好き」という言葉には、パーツや車種のことに詳しくないと軽々しく公言できない、ハードルの高さがあるように思うんです。私って、クルマのメカニックな部分ってまだよくわからないし、そこまで関心も高くないんです(笑)。でも、運転することは楽しいし、小さな頃から家族でクルマに乗って出かけることが多くて、その頃の思い出はたくさん。慣れ親しんだクルマと離れるときは、子ども心にいつも胸が寂しさでいっぱいになりました。そんな私だからこそ、もっと広くクルマのファンを増やすことに貢献できると思うんです。

それに、これからの自動車業界は、買っていただくことがゴールではなくなっていくと考えています。買っていただいた後、どんな風に楽しんでいただけるか、どんな思い出をつくっていただけるか。そんな、人とクルマのたくさんの思い出づくりに、これからも携わっていきたいですね。

所属は取材当時のものです。

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