INTERVIEW

安全、強度、生産…。そして自分の想いを設計図に織り込む

技術職車両系 技術コースN.K

PROFILE

第2ボデー設計部 第23ボデー設計室

機械システムデザイン工学専攻 学士了 2005年入社

趣味はダイビング、クルマいじり。入社の同期とは今も仲がよく、花見やキャンプなどイベントも多い。

安全や強度などの基本性能を担う車両骨格からデザインとも深く関わる外板や外装、さらには艤装品の細部に至るまで、自分で線を描いてクルマをつくり出していくのが私たちボデー設計の仕事です。大きくはフロント部、側面を含む中央部、リア部とドア部の4つの部位に分かれ、ひとつのクルマのボデー設計に約20名の設計エンジニアが関わります。現在、私が担当しているのは次期小型車のフロント部のフードやカウルまわりの設計。衝突安全性や強度、生産性などを織り込みながら設計に取り組んでいます。ボデー設計はクルマに搭載されるじつに様々な部品と関わるために、設計部門でも中心的な存在。ここでさらに経験を積んで、将来はクルマをまるごと企画するCE(チーフエンジニア)を目指しています。

ラフなデザインから3次元の設計図を描き出す

ラフなデザインから
3次元の設計図を描き出す

現在、次期小型車のフードやカウルまわりの設計に携わっています。具体的には約30に及ぶ板金部品、それに取り付く様々な艤装品の設計ということになりますね。私たちが取り組むボデー設計の流れは、大きく構造計画→SE現図※→現図→修正現図→出図の5つのステップに分かれます。企画段階のざっくりとしたデザインや寸法から、まず断面図を描き起こすのが構造計画。次にCAEで強度などの評価をした後に3次元でのSE現図に取りかかります。衝突安全性や強度、生産性などの要件を織り込みながら設計を進め、この段階で要件のほぼ90%は織り込みます。次は量産に向けて詳細な設計図を起こしていく現図です。ここからさらにデザインの要素が加わり、検証しながら残った要件のすべてを織り込んで、ほぼ設計は完了。この後はデザインなどの微調整を行う修正現図、そして生産のための設計図を起こす出図となります。

ボデー設計の山場は、やはり3Dで図面を起こすSE現図のステップ。だいたい2カ月くらいかけ最初の3Dを描きます。しかし、その前段階の構造計画がじつは重要で、ここでの詰めが甘いと、3次元の設計で壁に突き当たり、結局はまた2次元まで戻ってやり直すということになってしまうのです。

※SE現図は構造計画図から評価・実験・生産性の要件を織り込んだ最初の現図です。この現図で各部署がDR・検討を行います。場合によっては試作も実施します。

設計エンジニアとしての心構えをガツンと学ぶ

「なんだこの図面は? 君の設計は5点だ」。ボデー設計に配属されてまだ3カ月、私が最初に描いた構造計画図を見た上司は、フロア中に響き渡るような声でこう言いました。この図面は、他の部署や先輩から集めてきた情報をただ寄せ集めてまとめただけで、私の気持ちがひとつも込められていないというのです。寸法の意味を理解してそこに意思を込めるか込めないかで、1本の線を描いてもその線の意味がまったく違ってくる。たとえ間違っていてもいいから、自分なりの意思を描きなさいと叱られました。プロとしての意識が欠けていたことに、自分も気がつきました。設計エンジニアとしての心構えの基本をガツンと教えてくれたのです。しかし、10点満点ではなくて、100点満点中の5点だというのですから、さすがにこたえました。

生産直前の設計変更で体験したチームワーク

こうして経験を積んで、現在担当している小型車のフード・カウル設計では、設計図がほぼ完成した出図の直前になって早急に設計変更するという体験もしました。歩行者保護性能の目標基準が変わり、それに対応して万が一歩行者に衝突した場合の安全性能をさらに高めることになったのです。

さて、どの部品を変更すれば目標を達成できるのか。最初に目を付けたのはフードのヒンジでしたが、他の性能との要件が複雑に重なっていて無理。そこで視点を変えて、車両CAE部に協力してもらい、歩行者が衝突した場合の変形の様子を3Dでつぶさに観察してみました。すると、カウルに関係する部品に改善のヒントがあることに気づいたのです。それからすぐに断面図で検討して3Dの設計図を起こして変更を重ねて……。生産直前での設計変更でしたので、関連する部署も多岐にわたります。周辺部品の設計や実験評価、生産技術、製造、部品の仕入れ先さんなど、数多くのエンジニアに協力してもらって1カ月間で設計変更を成し遂げました。今振り返ると、これも貴重な経験でした。

いつの日か、CEとして自分の思い描くクルマを

ボデー設計の魅力は、やはりクルマの中心となる部分を担っているという気概でしょうか。それだけに広く深い知識と経験が必要で、他の部門からも頼られて色々相談を受けることがあります。また、自分が設計した部分を直接見ることができるので、クルマが出来上がって街中を走り出した時の楽しさも格別。思わず自慢したくなります。

まだまだ経験が必要と痛感しているので、リアや側面まわりの設計にも携わってさらに知識を広げたいと思っています。将来は自分でクルマをまるごと企画するCEを目指しています。自分自身としては、スポーツカーよりも大衆車の方が面白そうだと考えています。使い勝手がよくて、お客様の生活を変えられるようなクルマをいつの日かつくってみたいですね。

所属は取材当時のものです。

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