INTERVIEW

安全・安心の先にある
人の「感性」にも応えられる品質をめざして。

技術職カスタマーファーストコースY.N

PROFILE

品質保証部

工学研究科 物質・科学系専攻修士了 2006年入社

学生時代は、金属・セラミックス人工歯冠材料について研究。入社後は、学んだことを活かして、品質保証部の部品材料監査室で材料系の品質保証を担当。実は父もトヨタ勤務。「最初は一緒の会社に入るのは気が進まなかったけど、父と同じ土俵に立ってどこまで近づけるのか、自分を試してみたかったんです。追いつくにはまだまだ時間がかかりそうですが」と笑顔で語る。

お客様の声をクルマに活かす、品質保証という仕事

トヨタが大切にしている「品質」を第三者的な視点から監査する。お客様が本当に求めるクルマを形にしていくために。品質保証というのは、そんな仕事です。具体的には、コールセンターに届くお客様の声から様々なご意見やご要望を収集。「この部分が使いにくい」ということであれば、「どう使いにくいのか」を実車で検証し、その結果を数値化して技術や開発、工場にフィードバックし、改善を促します。外部の調査会社によるユーザー調査や専門家の評価なども参考にしています。

最近、感じるのは「品質」という言葉のもつ意味が変わってきているということ。いまや、故障しないのは当たり前。その上での安全・安心、使いやすさや快適性までを含めて「品質」と捉える。だから、私たちの仕事にも、使ったときにどう感じるのかというお客様の「感性」まで考えることが求められるのです。もちろん、実際に改善にあたるのは現場や開発のエンジニアたち。その人たちをどう促し、動かしていくかが、私たちの大きな役割です。

「異文化」という壁を越えて、中国で学んだこと

「異文化」という壁を越えて、
中国で学んだこと

人との向き合い方を教えてくれたのは、2013年に出向した中国での仕事でした。中国の全てのトヨタ拠点で品質を向上させるための体制整備、人材育成などを企画。中国人スタッフと問題解決にあたりました。そこでぶつかったのは、文化の違いという「壁」。日本のトヨタと比べると、上司からの指示待ちで、受け身の姿勢でいるメンバーが多い。私が全てを手取り足取り教えてしまうのは簡単なこと。でも、それでは彼らの成長もない。「わからないことは自分から関連部署に相談するなどして解決策を考えてみて」と思いきって一度突き放すことに。最初は渋々でしたが、自ら人に聞くことで、人脈もできる。仕事もスムーズに回り出す。そんな成功体験を積むと、次もがんばろうと前向きになっていく。変化していく彼らの姿に、私もまた多くのことを学びました。この時の経験は、若手を育てることや、他部署の人々を巻き込んでいく現在の仕事で、大いに役立っていると感じています。

お客様の気持ちに思いを馳せる、それが原点

例えば、アクセルを踏んだときの加速感が鈍いなど、お客様ごとに感覚差もある「感性品質」を技術者に伝えるのはとても難しいことです。それらは確かに「故障」ではないし、開発現場は常に機能やデザインなどの制約、厳しいスケジュールと戦っています。そんな状況の中、微妙な改善や修正を要望しても、最初に返ってくるのは「すぐにはできない」という返事。配属されて間もなかった頃の私は、「仕方がないのかも…」と事情を上司に報告。しかし次の瞬間、返ってきた上司の言葉にはっとしました。「それって、お客様には関係ない話でしょ。今、お客様が困っているなら、それは直すべきことだよ」その時、自分がまだまだ会社側の都合という視点しか持っておらず、お客様目線で考えていなかったことを痛感。それからは、お客様の立場で考えることを徹底し、開発現場当初「3年かかる」と言われた改善を、上司や仲間の力も借りながら、なんとか1年半に短縮できたことも。お客様の声を何より優先して行動するようになりました。

大切なのは、お客様の気持ちに思いを馳せること。1人でも困っているお客様がいるなら、その声を決して聞き逃さないこと。それがこの仕事の原点でもあり、原動力でもあるのです。

クルマは移動手段から、リビングのような空間へ

クルマは移動手段から、
リビングのような空間へ

品質保証という仕事は、クルマに対する知識はもちろん、仕事に対する熱量やこだわり力、粘り強さが必要です。ときには、厳しいことも言わなければならない。また一度断られたとしても、客関的な数値や現象を元に何度も話し合いを行い、要望を重ねることもある。もちろん苦労もありますが、自分が関わったクルマやトヨタというブランドが評価されたときは、大きな喜びと手応えが感じられます。先日も、あるアメリカの外部機関によるブランド経年品質評価で、レクサスが1位、トヨタが2位という結果が出ました。そんなふうに自分たちが取り組んできた仕事の成果がはっきりわかるのも、この仕事の魅力。思わず上司と握手して喜び合いました。

今後、自動運転やライドシェアが身近になる時代には、クルマは運転するというより、大事な時間を過ごす「場所」に変わっていく。そうすると「品質」にも、まるで自宅のリビングにいる時に近いような快適性をより強く求められるようになるかもしれません。私たちの仕事にも、そんな世の中の変化をいち早く察知して、お客様が求めるクルマを追求していけるような、より敏感で柔軟な視点を持つことが必要です。これからも、お客様からの小さな声を聞き逃さないよう、心がけていきます。小さな変化の積み重ねが、やがて大きな変化につながっていくのですから。

所属は取材当時のものです。

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