INTERVIEW

トヨタ × ソフトバンクで
クルマと地域の新しい未来を描く。

事務職コネクティッド部門T.Y

PROFILE

MaaS事業部

環境情報学部卒 2009年入社

大学では「都市計画」や「街づくり」について学んだが、就職活動では「モノをつくっている会社」を希望。トヨタを選んだのは、クルマをつくっているだけではなく、「街づくり」や「環境」も視野に入れた企業活動をしていると知ったから。「現在の仕事は、まさにやりたかったこと。トヨタがモビリティカンパニーへと変革する、その一翼を担っている。そんな誇りを感じています」

フランスでの経験が、人としての視野を広げてくれた

入社後は、広報部で商品・技術広報を担当。ヨーロッパ拠点の広報活動もサポートしていた関係で、1年半ほどベルギーに駐在していました。その頃、興味を持ったのが、フランスで開始されるという「Ha:mo」(超小型EVシェアリングサービス)の実証実験。クルマを保有するほどでもない、でも公共交通機関だけではカバーできない、その隙間の「ラストワンマイル」を埋められる。街の構造を変えられる事業になるのではと感じたのです。そこで、自ら手を挙げてITS企画部に異動。立ち上げから関わりました。

苦労したのは、現地フランスの企業や自治体などとのコミュニケーション。なにしろ文化がまったく異なりますから。綿密に計画を立て、進めていくのがトヨタの文化。しかし、文化の違いもあり、柔軟な対応力が鍛えられました。次第に感じるようになったのは、自分が本音で語らないと、向こうも本音を聞かせてくれないということ。意志の疎通が難しいのはあたりまえ。だからこそ建前ではなく、嫌なことは嫌、怒るときは怒る。きちんと正面から向き合ううちに、国境を越えた「仲間意識」が芽生えていったのです。

人とクルマと社会がつながり生み出す、新しいサービス

人とクルマと社会がつながり生み出す、新しいサービス

2018年1月、豊田章男社長が「トヨタはモビリティカンパニーになる」と宣言しました。その戦略の柱の一つとなるのが、いま私が所属しているMaaS事業部です。「MaaS」とは「Mobility as a Service」の略で、人とクルマと社会をつなぎ、新しいサービスを創造する事業。トヨタのコネクティッドカーから情報を収集、分析し、カーシェアやライドシェア、保険や物流などさまざまな業種とアライアンスを組んでビジネスを展開する構想を描いています。

さらに2019年2月には、ソフトバンクとのジョイントベンチャー「MONET Technologies」が本格稼働。トヨタが構築したコネクティッドカーの情報基盤「モビリティサービスプラットフォーム(MSPF)」と、ソフトバンクがスマホなどからデータ集積した「IoTプラットフォーム」を連携させて、「いつどこでどんな需要があるか」を予測。利用者の需要に合わせてジャスト・イン・タイムで配車したり、新たなサービスを提供します。私がいま関わっているのは、そのシステム企画。まずは地方自治体との協業から始まり、その先には、移動する病院やオフィス、コンビニなどのサービスが提供できる「e-Palette」(自動運転電気自動車)という新しいモビリティサービスの実現も見据えています。

刺激をもらえる「ベンチャー企業」のような空気感

具体的にスタートしたのは、自治体との連携。例えば、地方のバスは1時間に1、2本と不便で、今後、少子高齢化が進んでいくと、運営も困難になります。そこで、私たちのプラットフォームを活用して、オンデマンドに対応できる移動形態を生み出そうとしているのです。将来的には、人の移動だけでなく、買物代行などモノの移動、医療やコンビニなどサービスの移動にも対応し、地域の人々のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の維持・向上に貢献する事業を展開する予定です。まずは全国17の自治体と連携を開始しており、実証実験も始まっています。

私はシステム企画を担当していますが、業務の「枠」というものはほぼ存在しません。トヨタとソフトバンクを隔てる壁はなく、さまざまなバックグラウンドのメンバーが、ベンチャー特有のスピード感で一つのものを一緒につくり上げている感じです。ソフトバンクの方々の、どんな状況でも諦めず突破口を模索していく姿勢からは、とても刺激をもらえます。事務職と技術職も机を並べて仕事していて、役割も固定されていません。技術職の方も言われたものをつくるのではなく、「こういうの面白い。やってみたいよね」と積極的にサービスのアイデアを出し合う、ポジティブな空気に溢れているのです。

このプロジェクトに携われたのはトヨタだからこそ

このプロジェクトに携われたのはトヨタだからこそ

実は、最初は移動のオフィスや病院と聞いても、ピンとこなかったんです。でも最近、「2025年に東京の人口減少が始まり、2042年には東京23区内や一部の県庁所在地でも限界集落ができる」という予測を知り、このプロジェクトの重要性をよりリアルに感じるようになりました。新しいモビリティサービスが生まれれば、人口が減っても人々のQOLが維持できるかもしれない。また、地域密着の企業や商店なども形を変えて存続していくこともできるかもしれない。さらに、このビジネスモデルを日本で確立することができれば、高齢化が進む他国にも応用できる可能性があります。

大学で都市計画を学んだ私が、「自動車メーカー」であるトヨタを選んだのは、クルマをつくるだけでなく、街づくりや環境保全などへの広い視野を持つ企業だと感じたから。まさに、このプロジェクトはトヨタだから携われたのだと実感しています。「地域のライフパートナーになること」それが、MONETがめざすひとつの目標です。かつて、移動を支えていたクルマが、いまは新しいサービスや価値とつながり、生活を便利に豊かにする存在に変化していく。それが、私たちが描く未来なのです。

所属は取材当時のものです。

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